タイトル ダンスドラマエモーション
Winter Rose
制作:宝塚クリエイティブアーツ
作・演出 構成:演出・荻田浩一(宝塚歌劇団)  演出:振付・ケンジ中尾
上演場所
日程
2005年 1月30日   /シアター・ドラマシティ(大阪)
2005年 2月 2日〜6日/博品館劇場(東京)
出演者 吉野圭吾 星奈優里 岩田翼 Singo 伊藤明賢 林燈子
あらすじ
恐らく、南フランスか、リヴィエラあたりの、地中海に臨むひなびた避寒地。
時代はそう、60年代初頭…少しだけ遠い過去。
冬の寒さを逃れて「姉」と「弟」」が海辺の別荘へやって来る。
ヴァカンス…。ではなく目的は「姉」の療養。
「姉」は精神を病んでいる。姉弟は「姉」の心が惹かれてやまない、真冬に咲く薔薇の幻影を求めてこの地に来た。
絶え間なく続く潮騒…。そしてその潮騒のざわめき中、陽炎のように立ち現れた「男」
「男」の影に、「姉」の心は揺らぎ、時に慄く。その「姉」を不安げに見守る「弟」
「姉」と「弟」。二人の関係は、姉弟のそれを超えて甘く、危ういほどに近い。
そして、「姉」を惑わすように「男」もまた、妖しく寄り添う。
彼は、「姉」の病んだ心が見せる幻なのか、それとも運命を操る超越者なのか…。
次第に切迫していく「姉」の心理状況。
「姉」の心に封印されていた記憶が蘇るにつれ、病んだ心が求める冬の薔薇の示すサインが
禍々しく浮かび上がる。それは、禁じられた恋の傷跡だった・・・・。
                                                公演直前インタビューはこちら
                      ≪舞台エピソード≫

1年前の初演の舞台にはやり残したことがたくさんありました。
すてきなダンスとすばらしい歌があって大好きな作品。
でも、ストーリーを引っぱっていく僕の演技は迷ってばかりでした。

これまで自分が立った舞台を思い浮かべるとき、ちょっと照れくさい表現ですが・・・
役の人物になりきれたなって思うときはたとえ舞台が家の中だけのセットだとしても
まわりの風景までもがまざまざと目に浮かんできたり、相手役の顔が家族や恋人に見えたり
外で戦争が起きてるという恐怖感がひしひしと感じられたりしました。
でも『Winter Rose』の初演で思い浮かぶのは、リ ノリウムの床と木材でできた階段の舞台装置と青い照明・・・
他には赤いゴムひもとか、客席の視線が怖かったこととか、どうしていいかわからずに右往左往する自分。
まったくといっていいほど作品の世界に入り込めませんでした。来てくれたお客様に申し訳無い・・・。

それがくやしくて。
再演までの1年間、他の公演の舞台に立っているときもいつも頭の片隅には『Winter Rose』がありました。
ことあるごとに、自分の演じる医師だったらどうするだろうと考えてみたり。
映画を観ていてフッとひらめくものがあれば家に帰ってからメモに書きとめたり。

「1年間これだけ考えたんだから今度はきっとうまくいくはず」という自信はあったはずだけど
再演の稽古の前日はやっぱり不安で、友人につきあってもらって新宿でちょっとだけ飲んで励ましてもらったり。
ありがたかったな。
そしていよいよ再演の稽古場へ・・・。

久しぶりにみんなに会えてホントに嬉しいのと同時に、本当に再演するんだなという実感がふつふつと沸いてきました。
そして稽古初日からお互いに「初演のときはこうだったけどこう変えようよ」とか「こうしてみない?」とか意見がたくさん。
みんなもいろいろ考えてたんだなーと感慨深かったです。
そして演出の荻田先生からの指示でドラマティックなナンバーを1曲追加(これが僕の演じる医師役の再演でのクライマックス!と自分ではひそかに思ってます)


今は・・・再演の公演が終わってからだいぶ経ちましたが、今『Winter Rose』と聞いて目に浮かぶものは
劇場の舞台装置なんかじゃなく、南仏の真っ白な砂浜の海岸線を走る汽車、思い出のたくさん詰まった
スーツケース、大きな窓のある別荘、夕焼けの海、それから大好きな大好きな姉さん、です。

                                                    (2005年12月 岩田翼)
WinterRose/星奈優里さん・岩田翼さん

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