タイトル 解ってたまるか! 劇団四季
作・演出 作:福田恆存 演出:浅利慶太
上演場所
日程
2005年 5月 5日〜22日 /自由劇場(東京)
出演者 加藤敬二(ライフル魔/村木明男)
田代隆秀
(警視庁刑事部長 捜査本部長/瀬戸内)
 川原洋一郎(警視庁捜査一課長 捜査本部副部長/武田)
緒方愛香(麻布警察署長 捜査本部副部長/春野)
牧野公昭(警部補/熊谷) 荒木勝(警部補/力石)
岩松廉(警部補/平澤) 藤川和彦 (巡査部長/絹川)
岩田翼(巡査/和田) 小林アトム(中央新聞記者/明石)
鈴木周(東京経済新聞記者/倉持) 鳥畑洋人(東方新聞記者/反野)
岡崎克哉(劇作家/久田川順平) 志村要(映画監督/大濱茂)
勅使瓦武志(弁護士/山中俊夫) 川地啓友(大学教授/後藤則彦)
坂本岳大(人質/奥澤・綽名ヘッピリ) 川口雄二(人質/甘粕・綽名オーアマ)
菊池正(人質/栗林・綽名ボヤキ) 神保幸由(人質/関山・綽名カレススキ)
芹沢秀明(人質/結城・綽名ユダ) 矢代朝子(人質/政子)
藤井智子(人質/光枝) 岡本和子(人質/静) 横山清崇(支配人/鈴木)
畠山典之(ルームサービス係/内田・シューベルト/(ドイツ人))
あらすじ
前科者の子として幼い頃から差別を受けてきた村木明男。
彼は酔払い運転をしていた二人をライフルで射殺、その後、ホテルに人質をとって立てこもった。
「酔っ払い運転は殺人未遂と同じで、犯人を殺したのは正当防衛である。
警察が正統と認めてくれれば、人質を解放し、自分は潔く死んで謝罪する…。」
大量のダイナマイトを持ち込んだらしい村木の要求をのむか、それとも認めず、突入するのか、決めかねる警察。
ときおり聞こえる銃声…果たして人質たちは無事なのか??

                    ≪舞台エピソード≫
劇団四季です!
日本最大の劇団。全国に10以上の劇場があって俳優は700人以上。スタッフも300人以上。その他、制作や事務の方々も入れたら一体何人の関係者がいることやら。ともかくものすごい規模です。稽古場では何度迷子になったことか(>_<)

そこで僕の所属する劇団昴の創始者である福田恆存氏の作品を上演するとのことで、オーディションのお話をいただきました。
日本一の劇団の芝居に出るってどんなだろ?これも経験だと思いかなりミーハーな興味本位で受けたオーディションでしたが、その場に代表の浅利慶太氏本人が現れたのにはびっくり。少人数のオーディションでしたし、劇団作品すべての演出でものすごく忙しい方だと聞いていたので、まさかいらっしゃるとは。作品にかける強い意気込みを感じました。

「ようし昴の力を見せてやる」などと珍しく劇団を背負って立つような、今思えばちょっと図々しい気持ちで稽古場に乗り込んだのもつかのま、その日から始まったのは言葉・言葉・言葉。セリフの特訓でした!これがその後の僕の芝居に大きな影響を与えることになるとは、このときはまだ考えもしなかったんですが・・・。芝居をやる上で、役の人物の気持ちとかその場の状況とかってのはわりと考えてきたと思うんだけど、なぜかセリフそのものってこれまであまり考えてこなかったなあ(>_<)
いきなり野望くじける!

その特訓では大きな発見の連続でした。例えば、人や自分のセリフや普段の言葉によーっく耳を澄ましてみると、「わかってたまるか」と言ってるのに「わかてたまるか」に近く聞こえたり、「てんきよほう」のところを「てんきよほ」となってたり・・・。ホントですよー。普段の生活では聞くほうも予測しながら聞いてるからどっちでも大した問題は無いけど、舞台でこの違いはセリフの聞きやすさが全く違うみたいです。テレビでニュース番組を見ていて、アナウンサーの言葉はすっきりと耳に入ってくるのに天気予報の人のはなんとなくたどたどしく聞こえてくると思うことがあったんですが、違いはこういうことなんだなあと納得。どっちが良いとか悪いとかではないです。ニュースは言葉そのもので伝える割合が高いし、天気予報の言葉はあくまでも天気図や画像の解説で、言葉の美しさ以上に内容の正確さとか予報すること自体が大切。どちらも素晴らしいプロの仕事だと思います。

でも舞台に立つ役者にとって言葉は気持ちや体の動き・顔の表情と同じくらい重要なもの。なかなか簡単には身につきませんが、これからも心がけていきたいな。いろいろ手取り足取り教えてくださった四季の方にすごく感謝してます。
毎日新しい発見のある本当に刺激的な稽古の毎日でした。
僕たちが客演したことで四季の方々にも少しでも良い刺激になってくれていたら嬉しいなあ。

                                                (2005年12月 岩田翼)


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