タイトル |
マウストラップ
〜ねずみとり〜 |
製作:ピュアー・マリー |
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作・演出 |
演出:大和田 伸也 原作:アガサ・クリスティー 翻訳:鳴海
四郎
(ハヤカワ・ミステリー文庫) |
上演場所
日程 |
2005年7月 3日 /亀戸カメアリホール(東京)
7月12日〜20日 /三百人劇場(東京)
7月23日〜24日 /新神戸オリエンタル劇場(兵庫)
(他 横浜にて演劇鑑賞会公演)
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出演者 |
戸井勝海(トロッター刑事) 内海光司(ジャイルズ・ロールストン)
芳本美代子(モリー・ロールストン) 前田真里衣(ミス・ケースウェル)
田村連(パラビチーニ) 岩田翼(クリストファ・レン)
大門正明(メトカーフ少佐) 淡路恵子(ボイル夫人) |
あらすじ |
〜この結末は決して誰にもお話にならないでください〜
雪が激しく降りしきるある日、ラジオからはロンドンの殺人事件のニュースが
流れてくる。若夫婦がその日始めた山荘には、さまざまな事情を抱えた5人の泊り客、
そしてロンドンの事件を追う一人の刑事…
ロンドンの事件とこの山荘にどんな関係が!?そんな中、ついに雪に閉ざされた山荘の中で
第二の犠牲者が出てしまう。残ったものは皆動揺し、疑心暗鬼になりおたがいを疑い始める…
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≪舞台エピソード≫
同じ役で再演と聞いたときにはホントにうれしかったです!
この作品で初めて劇団以外の舞台に出る機会をいただき、さまざまな分野で活躍中の共演者の方々に出会い、応援してくれるお客様もたくさん増えました。このホームページの管理人tocoさんに出会ったのもこの公演がきっかけでしたね!
そしてクリストファという役。うるさいけれどかわいくて、でもとても深い悲しみを抱えている、すごくやり甲斐のある役。
また『マウストラップ』がやれる!
またクリストファ・レンになれる!!!
・・・でも待てよ。
再演はとても難しいとよく言われます。
なぜだかわからないけど。
僕も観客として「初演はすごく良かったのにな〜」という舞台を何度か観たことがありました。
テンポやメリハリはすごく良くなってるのになぜか感動できない。
もちろん僕がもうストーリーを知っているってのもあるけど、それだけじゃなく何かが変わってしまっているような。
実際やる側になって、やっぱり難しいなと思いました。
僕の場合、初演が大好きだってこともあって、まず何も変えず全く同じことをやろうとしました。もちろん同じように新鮮な気持ちで。
でもできない!
初めての作品の場合、台本以外何もないところから必死で作り上げていくから、初めて台本を読んだときの新鮮な驚きや稽古での試行錯誤がそのまま積み上がって本番を迎えることができます。それが再演ってちょっと稽古をすればセリフや動きの段取りなんかはすぐ思い出せるし技術だって向上してるはずだけど、ちょっとだけ気持ちに余裕があるんです。
この余裕が大敵でした!
余裕があるから、より「見せよう」っていう意識が強くなりすぎたり、新鮮じゃなくなった気持ちをごまかすためにと大げさな演技になったり・・・。
なんだか、かたちばかりになって、どんどんクリストファから離れていってしまった・・・。
余裕があるってことは、やっぱりどっかに気持ちの一部を置き忘れてきちゃったんじゃないかなあ。
でもそれが何だかどうしても思い出せない。
でもね、本当に本当に大好きな作品ですから、このままで舞台にのせるわけにはいきません!
「初心忘るべからず」とは言いますが、忘れてしまったら無理矢理再現するしかない!
初演の時、開演直前の舞台袖で僕はテンションが上がりすぎて体の震えが止まらず今にも叫びだしそうな状態でした。
それと全く同じ状態になってみようと思いました。始まる前には真っ暗な舞台袖のイスにじっと座って集中!
他の演目ではこんなふうにはやらないんですよー。まわりが見えなくなって危ないし。
そしてあまり元気が出ないときはドリンク剤飲みまくり!
で結果は・・・、まあまあ新鮮にできたけど、今度は初演とちがってあんまり満足はできないです。
新鮮な気持ちを心がけたら、なんか「見せる」というのとは違う意味でもっともっと本当のクリストファに近づけそうな気がしてきました。
もっともっと自然にクリストファになる・・・。
でもそれは次回以降のこと。
やればやるほど、またやりたいと思わせる作品なんですよね。
だからロンドンでは53年もやってるのか!?
(2005年12月 岩田翼)
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